申し込んでから断られないために。お試し住宅の利用条件を474件分調べた
体験移住の施設は誰でも自由に泊まれる宿ではありません。移住検討者を支援するための施設なので、目的に沿った利用かどうかを確認する条件がついています。
このサイトに掲載している全国474件を調べたところ、見落としやすい条件は7種類ありました。予約カレンダーが空いていても、条件に合わなければ利用できません。
1. 県外・圏域外に住んでいることが条件(12件)
最も見落としやすい条件です。その地域の近くに住んでいる人ほど対象外になりやすいという、直感に反する構造になっています。
- 高知県宿毛市: 県外に居住していること。加えて「市での就職や起業が確定していない方」
- 高知県芸西村: 高知県外に住所を有すること
- 青森県青森市: 青森県外に居住していること
- 長崎県小値賀町: 小値賀町以外に居住していること
さらに細かい単位で区切る自治体もあります。
- 埼玉県小鹿野町: 秩父圏域(秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町)以外に住んでいること
- 埼玉県横瀬町: 秩父地域内に住所がある方は利用できない
- 青森県十和田市: 上十三・十和田湖広域定住自立圏の圏域外に住所があること
隣町に住んでいると使えない、ということが起こります。
2. 単身では使えない施設がある(8件)
家族での利用を前提にしている施設です。ひとりで移住を検討している場合は注意が必要です。
- 広島県東広島市: 家族での利用となります(単身利用は不可)
- 高知県土佐清水市 中長期型お試し移住施設: 2名以上で構成のご家族が対象
- 高知県香美市 物部地区: ご夫婦やご家族の利用を想定しており、単身者の利用はできません
逆に単身者向けに限定している施設もあります。
- 徳島県那賀町 桜谷シェアハウス: 単身用シェアハウス
- 高知県仁淀川町: 単身者向け
同じ那賀町でも、木沢移住支援施設は「ご家族での利用も可能」と明記されており、施設ごとに違います。
3. 年齢制限(9件)
- 広島県呉市: 18歳以上59歳以下(同居者を除く)。かつ高等学校等の生徒・学生でないこと
- 静岡県静岡市 葵おまち暮らし体験: おおむね55歳以上
- 大分県臼杵市: 40歳以下
- 山口県お試し暮らし住宅: 18〜39歳の若者世帯または子育て世帯
静岡市の「55歳以上」と山口県の「39歳以下」のように、狙う層が正反対の施設もあります。施設の目的(シニア層の移住促進か、若者・子育て世帯の誘致か)が条件に表れています。
4. 空き家バンクへの登録が必要(7件)
住まい探しとセットで運用されている施設です。
- 岡山県井原市(3施設とも): 空き家バンク制度の利用登録をする方
- 岡山県美咲町: 美咲町空き家バンクの利用登録をしていること
- 山形県遊佐町: 空き家見学の際は別途「空き家バンク」利用登録が必要
- 熊本県山鹿市: 「山鹿市空き家バンク利用登録」の申し込みが必要
登録自体は難しくありませんが、申し込みの前に済ませておく必要があります。
5. 移住相談・面談が必須(16件)
最も多い条件です。予約して行けば泊まれる、というわけではありません。
- 静岡県静岡市: 事前に静岡市移住支援センターでの移住相談が必要
- 山梨県富士吉田市: ご利用には事前の移住相談が必須
- 沖縄県国頭村: 申込前と利用中の計2回、担当者との面談
- 山梨県南アルプス市: 滞在中にふるさと振興課での面談が必要
- 広島県東広島市: 滞在期間中に市職員による移住相談を1回以上
オンライン面談に対応している自治体もありますが、申し込みから利用開始まで2週間〜1か月かかるのはこの手続きがあるためです。
6. 体験プログラムへの参加が条件(6件)
滞在するだけでなく、決められたプログラムに参加する必要がある施設です。
- 福島県只見町 ゲストハウスORAHO: 宿泊中に只見町の自然・文化・移住に関連するレクチャーの受講が必須
- 石川県羽咋市: 農業体験プログラムの受講が条件(1回500円)
- 岡山県倉敷市 せとうち古民家お試し住宅: 滞在中に体験プログラムを利用できる方
- 山形県西川町: 初日にオリエンテーション受講、滞在中に町内で3項目以上を体験、最終日にフィードバック
西川町は条件が3段階あり、「飲食店利用」「温泉施設利用」「地酒購入」「AI謎解き体験」などから3つ以上を選んで体験します。
7. 地域活動への参加(10件)
「地域住民と交流できる方」という条件です。文言は柔らかいものが多いですが、明確に義務としている施設もあります。
- 香川県綾川町: 滞在期間中、自治会活動等の地域活動に積極的に参加する意思がある方
- 高知県三原村(長期利用): 共益部分の維持管理に係る共同作業に参加する意思を有すること
- 高知県四万十市: 利用期間中は、地域活動への参加をお願いします
そのほか知っておきたい条件
上の7種類に当てはまらないものの、見落とすと困る条件もあります。
- 広島県世羅町: 就労(短期アルバイトを含む)禁止。同一年度内に2回以上のキャンセルや期間変更をすると利用許可が取り消される
- 岩手県の県営住宅: 県公式SNS等で県内生活の様子や魅力等を情報発信することが貸出の条件
- 秋田市: 秋田県の「A→KITA(あきた)登録」をしていること、インタビューや市のPRに協力できること
- 岡山県備前市: 利用にあたり地元町内会長へ、利用期間・人数・出身地が伝えられる
申し込む前に確認したい5点
- 自分の現住所は対象か — 県外限定・圏域外限定が意外と多い
- 人数の条件はあるか — 単身不可、逆に単身限定の施設もある
- 年齢の条件はあるか — 上限も下限もありうる
- 事前の相談や登録が要るか — 空き家バンク登録、移住相談は事前に
- 滞在中の義務はあるか — 面談、プログラム参加、地域活動
このサイトでは、各施設のページの上部に「申し込む前にご確認ください」として、利用可否に関わる条件を表示しています。予約の前に目を通してください。
※本記事の件数は、当サイト掲載データ(2026年7月時点、474件)の記載内容を集計したものです。条件は変更されることがあるため、申し込み前に必ず情報源サイトでご確認ください。